【肩甲骨はがしブームの裏側】整体師が教える“やりすぎ”のリスク
【肩甲骨はがしブームの裏側】整体師が教える“やりすぎ”のリスク

肩甲骨はがし
■SNSで話題の「肩甲骨はがし」、本当に安全?
最近、SNSやYouTubeなどで「肩甲骨はがし」が流行しています。「肩こりがスッキリする」「肩甲骨が浮き出て軽くなる」などの体験談を見て、一度は試してみたくなった方も多いのではないでしょうか?
しかし、現場の整体師としてこれまで数千人以上の体を見てきた立場から言わせていただくと——
“肩甲骨はがし”には明確なリスクがある施術法であることを、どうか知っておいてください。
■肩甲骨は「解剖学的にはすでにはがれている」
まず、誤解されやすい点をはっきりさせておきましょう。
肩甲骨は、解剖学的にはほとんど筋肉で宙づりにされており、唯一鎖骨と関節を作っていますが、他の関節のようにしっかりと連結しているわけではありません。
つまり、肩甲骨は「はがす」ものではなく、「すでにはがれている」状態が正常です。
これを無理に“はがそう”と強い力で引っ張ったり押し込んだりすれば、筋肉や筋膜を傷つけてしまう危険性があります。
■「やりすぎ」の現場で起きている3つのリスク
1. 筋膜炎や揉み返しによる痛み
強引な手技で肩甲骨周囲の筋肉を引きはがそうとすると、筋膜が炎症を起こし、数日間痛みや熱感が残ることがあります。
2. 高齢者や肩関節疾患の悪化
四十肩・五十肩の方、あるいは70代以降の方に無理なストレッチを行うと、可動域が逆に狭くなる危険があります。
3. 無資格者の施術によるトラブル
エステやリラクゼーション施設で「肩甲骨はがし」を名乗っているところもありますが、解剖学の知識が浅いケースも多く、神経を圧迫するリスクも否定できません。
■「気持ちいい」だけでは根本改善にならない
確かに、肩甲骨まわりを動かすと一時的に血流が良くなり、「スッキリした」と感じることもあります。しかし、それはあくまで一時的なもの。
根本的な肩こりや背中の張りの原因は、肩甲骨単体ではなく、骨盤・背骨・頚椎の歪みや筋膜のねじれにあることが多いのです。
■整体師として本当におすすめする方法とは?
私たちが大切にしているのは、「肩甲骨だけを狙う施術」ではなく、全身のバランスを見ながら必要な部位にアプローチする整体です。
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一人ひとりの姿勢・可動域・生活習慣をチェック
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呼吸・骨盤・足裏までトータルで見る
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その上で、必要に応じて肩甲骨まわりも丁寧にケア
「流行りの手技」ではなく、本当に安全で再発しないための整体を選んでみませんか?
■まとめ|肩甲骨はがしに頼らず、正しい施術を選びましょう
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肩甲骨は、解剖学的にはすでに“はがれている”構造です
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無理な肩甲骨はがしは、痛みや炎症の原因になることも
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肩こりや背中の違和感を改善するには、体全体を見直すことが大切
肩甲骨はがしを受けたけれど「何か違った」「すぐ元に戻ってしまった」という方へ。
当院では、根本から整える施術をご提案しています。ぜひ一度、あなたの体を丁寧にチェックさせてください。