【姿勢調整師って国家資格じゃない?】知らないと危険な落とし穴
【姿勢調整師って国家資格じゃない?】知らないと危険な落とし穴

姿勢調整師
あなたは「姿勢調整師」という言葉を聞いたことがありますか?
最近では、整体やリラクゼーションサロンなどで「姿勢調整師による施術」という表現を見かけることも増えてきました。背筋がシャキッと伸び、猫背が改善されたような気分になれる――そんなイメージを持たれているかもしれません。
しかし、その「姿勢調整師」、実は国家資格ではないということをご存知でしょうか?
本記事では、「姿勢調整師」の正体、そして知られざるリスクについて解説するとともに、安心して施術を受けるための方法をご紹介します。
民間資格の「姿勢調整師」には法的根拠がない
まず押さえておきたいのは、「姿勢調整師」は柔道整復師や理学療法士のような国家資格ではなく、民間団体が発行する独自資格であるという点です。つまり、名乗ろうと思えば誰でも「今日から姿勢調整師です」と宣言できてしまうのです。
厚生労働省が認める施術者には、以下のような国家資格があります:
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柔道整復師(接骨院・整骨院)
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理学療法士(リハビリ専門)
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鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師(東洋医学系)
これらの資格取得には、解剖学・生理学・病理学などの専門教育と、国家試験の合格が必須です。一方、「姿勢調整師」にはこうした医学的な基礎が欠けているケースが多く、人体構造を誤って理解している可能性すらあります。
無資格施術による健康被害も増加中
国民生活センターによると、無資格者による施術トラブルの相談件数は年々増加傾向にあります。令和元年度の報告では、施術による健康被害(悪化・ケガなど)の相談が1,200件以上にのぼっています。
その中には、「姿勢矯正を受けてから腰痛が悪化した」「無理に腰を回されてしびれが出た」といった深刻な例も含まれます。
特に高齢者や慢性的な腰痛、脊柱管狭窄症などの持病を抱える方にとっては、表面的な姿勢だけを見て行う調整はかえって危険です。骨の変形や神経圧迫を無視したアプローチでは、症状をこじらせてしまうリスクがあります。
姿勢は“見た目”ではなく“機能”で整えるもの
「姿勢が悪いから不調になる」という単純な考え方が、いま広まりすぎています。しかし実際の臨床では、姿勢の乱れは結果であり原因ではないことが多いのです。
たとえば、猫背に見える人が必ずしも身体に問題を抱えているとは限りません。逆に、背筋が伸びているように見えても、筋肉のアンバランスや神経の誤作動が隠れていることもあります。
つまり、見た目の姿勢だけを整えるのではなく、筋肉・関節・神経の連携を正しく評価し、機能的な動作を取り戻すことが本来の目的であるべきなのです。
安心できる施術者の選び方とは?
では、安心して施術を受けるにはどうすれば良いのでしょうか?
まずは、以下のような条件を満たす施術者・施設を選ぶことが大切です。
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国家資格(柔道整復師・理学療法士など)を保有している
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身体の評価をしっかり行い、原因を説明してくれる
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無理な矯正をせず、身体に合わせた施術を行っている
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効果やリスクを正直に話してくれる
当院では、国家資格保有者が在籍し、身体の状態を正確に評価したうえで、安全で根本改善を目指す施術を提供しています。「姿勢調整師」という名前だけに惑わされず、大切な身体を預ける相手は慎重に選びましょう。
まとめ:名前に惑わされず、体の声を大切に
「姿勢調整師」という名前には、あたかも専門家のような響きがあります。しかし、その肩書きの裏に資格や根拠が伴っていない場合があるという事実を、ぜひ知っておいてください。
見た目の姿勢にとらわれず、本当に体が楽になる方法を一緒に見つけましょう。どこに通うか、誰に見てもらうか。それが、あなたの未来の健康を大きく左右します。