【美容整体師による小顔矯正】効果は一時的?医学的根拠のない施術のリスクとは
【美容整体師による小顔矯正】効果は一時的?医学的根拠のない施術のリスクとは

小顔矯正
「たった1回の小顔矯正で驚くほどフェイスラインがスッキリ!」
SNSや口コミサイトで見かけるこのような言葉に、心惹かれた経験はありませんか?
しかし、その「小顔効果」、本当に医学的に正しいものなのでしょうか。
今回は、美容整体師による小顔矯正の“驚きの事実”と“見過ごせないリスク”を、医学的観点から解説します。
小顔矯正は、実は「むくみ取り」だった?
美容整体師による小顔矯正の多くは、「骨格を整えて顔の輪郭をシャープにする」と謳われています。
しかし、実際のところ多くの施術は、顔面に軽い圧をかけたり、リンパを流したりすることで一時的にむくみを軽減するだけに過ぎません。
東京医科歯科大学の研究によれば、「手技によって頭蓋骨の形が変わる」という医学的根拠は確認されておらず、頭部の骨は成人後にほとんど動かなくなるとされています。
つまり、「骨格から小顔にする」といったキャッチコピーの多くは、科学的に裏付けがない誇張表現である可能性が高いのです。
骨は動かないのに、なぜ“変化”を感じるのか?
実際に施術を受けた人が「顔が小さくなった」と感じるのには理由があります。
それは、一時的な血流改善や水分排出による変化です。顔のむくみが減ることで、輪郭がシャープに見えます。
しかし、これは数時間から数日で元に戻るケースがほとんどで、恒久的な効果は期待できません。
リスク①:神経や関節への悪影響
顔面は、非常に繊細な神経や関節が集まるエリアです。
過度な圧力や誤った角度での施術により、顎関節症、三叉神経痛、顔面神経麻痺などを引き起こす恐れがあります。
実際に2020年には、あるエステサロンで小顔矯正を受けた女性が「顎が開かなくなった」「頭痛が取れない」として訴訟を起こした事例も報告されています。
このような被害の背景には、解剖学的知識の不足や、国家資格を持たない施術者による施術が存在しています。
リスク②:「美容整体師」は誰でも名乗れる?
「整体師」や「美容整体師」という肩書きは、国家資格ではありません。
柔道整復師や理学療法士、あん摩マッサージ指圧師といった、医学的訓練を受けた国家資格者とは異なり、極端な話、今日からでも誰でも名乗れるのが現状です。
とくに美容整体に関しては、数日の講習で「小顔矯正認定証」がもらえるケースもあり、施術者の知識・技術レベルには大きなバラつきがあります。
そのため、医学的リスクを伴う部位に対し、十分な知識なく施術している危険性があるのです。
正しい対処法:医療機関か信頼できる整体院へ
美容的な悩みも、まずは身体の仕組みに精通した専門家に相談するのが安全です。
たとえば、小顔になりたいという希望の裏には「むくみ」「噛みしめ」「猫背」など、全身のバランスの乱れが関係していることが多々あります。
本当に根本改善を目指すなら、顔だけではなく、首・肩・背中・骨盤まで含めて身体全体を診る整体院を選ぶことが重要です。
国家資格保持者による施術や、医療機関と連携した施術であれば、安全性と効果の両方が見込めるでしょう。
まとめ
小顔矯正は魅力的に見えますが、その多くは一時的な変化に過ぎず、医学的根拠に乏しいものです。
さらに、無資格者による施術は神経や関節へのリスクを伴います。
見た目の美しさを追求するあまり、健康を損ねてしまっては本末転倒です。
正しい知識を持ち、信頼できる専門家に相談することが、美容と健康を両立する第一歩です。