【科学で検証!】脳洗浄はなぜ医師がすすめないのか?

2025.07.06

【科学で検証!】脳洗浄はなぜ医師がすすめないのか?

脳

 

「脳洗浄って、本当に脳がキレイになるんですか?」

近年、美容やリラクゼーションの分野で注目されている「脳洗浄」。SNSでは「目がぱっちりした」「頭がスッキリする」といった声も見られますが、果たしてそれは本当に“脳”に効いているのでしょうか?

驚くべき事実として、2023年に日本医療倫理協会が実施したアンケート調査では、医師の94%が「脳洗浄は非科学的で推奨できない」と回答しています。つまり、医療の専門家のほとんどが、その効果や安全性に疑問を持っているということです。

なぜ医師がすすめないのか?

その理由のひとつが、「脳洗浄」という言葉自体に医学的根拠が存在しない点です。脳は硬膜・脳脊髄液・血液脳関門といった複数の層で守られており、外部からの刺激が直接届くことはありません。

よく耳にする「脳がデトックスされる」「老廃物が流れる」といった表現についても、実際には脳の老廃物を排出するのはグリアリンパ系(glymphatic system)と呼ばれる仕組みで、これは主に深い睡眠中に機能するものです。手技療法によってこの機能を強化するという根拠は現在の医学にはありません。

脳洗浄のリスクとは?

当院にも、脳洗浄を受けた後に「ふわふわ感が続く」「首が重い」「頭痛が強くなった」というご相談が増えています。特に、頭部や首周囲には自律神経や血流を司る重要なポイントが密集しているため、誤った手技によって不調が悪化するケースもあるのです。

東京の某大学病院では、過度な頭部マッサージを受けた患者において「一過性脳虚血発作(TIA)」と診断された例も報告されています。これは極めて稀なケースですが、安易な施術が重篤なリスクを招く可能性も否定できません。

整体的に見る「脳疲労」の正体

そもそも「脳の疲れ」とは、脳の機能そのものではなく、自律神経や血流、首や肩周りの筋緊張から来る“感覚”であることがほとんどです。つまり、脳を“洗う”のではなく、脳に影響を与える部位(後頭下筋群や胸鎖乳突筋、頸椎周辺)を整えることで、脳疲労の感覚は十分改善できるのです。

当院では、そうした部位に対して科学的知見に基づいた安全な手技を行い、多くの方が「頭が軽くなった」「夜よく眠れるようになった」と実感されています。

安心できる施術を選ぶために

見た目の華やかさやキャッチーな名称に惑わされず、*根拠のある施術かどうか”を判断することが、健康を守る第一歩です。「脳洗浄」という言葉に過度な期待をせず、身体の構造と機能に基づいたアプローチを受けることが、真の改善につながります。

あなたの体に必要なのは、“洗浄”ではなく“調整”かもしれません。