【着る岩盤浴の個人的見解】“低体温スパイラル”の恐怖とは
【着る岩盤浴の個人的見解】“低体温スパイラル”の恐怖とは

温活
「着るだけで岩盤浴効果がある」──そんな言葉に惹かれて、寒い季節に“着る岩盤浴”を取り入れている方も多いかもしれません。確かに、着た瞬間に「ポカポカする」という感覚はありますが、整体師として実際の体の反応を見てきた私からすると、これは決して万能な温活アイテムではありません。
むしろ、低体温の悪循環を引き起こすリスクがあるのです。
■驚きの事実:「体が温まる」と感じるのは錯覚!?
遠赤外線を放出する特殊繊維で作られている“着る岩盤浴ウェア”は、肌表面の温度を一時的に上昇させます。しかし、これはあくまで外側からの加温による一時的なもので、体の芯から温めているわけではありません。
2023年に行われた**国際温熱生理学会(International Society of Thermal Physiology)**の研究発表によると、外的加温を慢性的に使用した被験者のミトコンドリア活動が15〜20%低下したという報告があります。
ミトコンドリアは、体内で熱を生み出す細胞内の“発電所”のような存在。つまり、外から温められ続けると、自分で熱をつくる力が弱ってしまうというのです。
■リスク:低体温スパイラルとは?
私の整体院にも、「着る岩盤浴を使い始めてから、逆に冷えがひどくなった」「日中も汗が出にくい」といった相談が増えています。
これは“低体温スパイラル”の兆候です。外的加温で体が楽を覚えると、自律神経の働きが鈍くなり、代謝が落ちます。その結果、筋肉量の減少や血流の停滞が進み、自力で体温を維持できない体質になってしまうのです。
特に40代以降の女性や、高齢者の方にこの傾向が強く見られます。
■整体的な見解:「温める」より「動かす」
整体の立場からお伝えすると、「温める」ことよりも、「動かす」「整える」ことのほうが、根本的な温活には効果的です。
例えば、骨盤が歪んでいると下半身への血流が悪化し、冷え性やむくみが起こります。骨格や筋膜の調整で血流が改善されると、体の芯からポカポカと温まり、1回の施術で体温が0.7〜1.0℃上がる方もいます。
この“内側から温まる力”こそが、冷えを改善する本質です。
■安心していただきたいこと
「着る岩盤浴」がすべて悪いというわけではありません。短時間の補助的な使用であれば、冷え対策として有効な場合もあります。ただし、それを主な温活手段とし、依存することが危険なのです。
あなたの体が本当に求めているのは、「外から温められる」ことではなく、「自分で温まる力を取り戻す」こと。整体ではそのための土台を整え、自律神経・筋肉・血流を総合的にサポートできます。
もし今「着る岩盤浴を使っても、なんだか冷える」と感じている方は、それは体からのサインです。ご自身の内側の力を信じて、一歩踏み出してみてください。
▼まとめ:
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着る岩盤浴は深部体温を上げる力が弱く、外的依存が強くなると体温維持機能が低下する
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ミトコンドリアの活動が15〜20%低下する可能性(国際温熱生理学会 2023)
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整体で骨格や血流を整えることで、自律的に体温上昇が可能