「正しい姿勢」は思い込み?専門家が語る“ゆがみの真実”と身体への影響

2025.07.16

「正しい姿勢」は思い込み?専門家が語る“ゆがみの真実”と身体への影響

姿勢

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■「背筋を伸ばせ」が逆効果?日本人の8割が誤解している姿勢

あなたは「正しい姿勢」と聞いて、どんな立ち方や座り方を思い浮かべますか?

多くの方が、「胸を張って、背筋をピンと伸ばす」ことを正解だと信じています。ところが、この姿勢こそが腰痛や肩こりを悪化させる原因になっていることをご存知でしょうか。

実際、厚生労働省の調査によると、日本人の約8割が「無理な良い姿勢」を日常的に取っているといいます。つまり、良かれと思って続けているその姿勢が、実は体をゆがめ、慢性的な不調を招いているのです。

 

■肩こり・腰痛の意外な原因:それ、実は“良すぎる姿勢”かも

現代人の多くは、長時間のスマホやパソコン作業により猫背になりがちです。これを意識して矯正しようと、「背中を反らす」「胸を張る」といった動作を無理に続けていませんか?

このような姿勢は、一見良さそうに見えても、実は筋肉や関節に大きな負担をかけています。

特に問題となるのが、骨盤の前傾です。胸を張る動作とセットで骨盤が過度に傾くと、背骨のS字カーブが崩れ、結果として首・肩・腰への負担が増加します。

 

■正しい姿勢の医学的定義と、整体的アプローチの違いとは

医学的に「正しい姿勢」とは、耳の穴、肩、腰、膝、くるぶしが一直線に並ぶ状態のこと。これは、重力の影響を最も効率よく受け止められる身体構造とされています。

一方、整体の現場では、“無理なく保てる自然な姿勢”こそが正しいと考えます。なぜなら、完璧な一直線を意識的に保つのは、現実的には不可能に近いからです。

だからこそ、整体では「正しい姿勢を“つくる”のではなく、整えて戻す」というアプローチを取ります。筋肉や関節を本来の状態に戻すことで、自然と負担の少ない姿勢へ導くのです。

 

■【数値で解説】骨盤が5°傾くだけで首への負荷は2倍に

具体的な数字で見てみましょう。人間の頭部の重さは平均4〜6kg。ボーリングの球ほどの重さが、首の骨(頸椎)に乗っているのです。

しかし、骨盤が前に5°傾くだけで、頭の位置が前方に移動し、首には約2倍(8〜12kg相当)の負荷がかかることがわかっています(アメリカ姿勢研究所より)。

これが毎日続けば、首や肩の筋肉は慢性的な緊張状態に。つまり、姿勢のわずかなゆがみが、肩こりや頭痛などの症状に直結してしまうのです。

 

■安心してください、正しい姿勢は“自然に戻す”だけでいい

「姿勢が悪い」と言われると、どうしても「自分で頑張って直さなきゃ」と思いがちですが、実はその必要はありません。

無理に意識せずとも、体のゆがみを整えることで自然と良い姿勢は保てるのです。

整体では、筋膜・骨格・神経のバランスを調整しながら、その方本来の正しい重心や動きを取り戻していきます。結果として、姿勢が美しくなり、肩こり・腰痛などの不調も改善していくのです。

 

▼まとめ

  • 「正しい姿勢」と思っている動作が、実は体に悪影響を与えていることも。

  • 骨盤のわずかな傾きが、首・肩に倍以上の負荷を与える。

  • 姿勢は「意識して作る」ものではなく、「整えて戻す」もの。

  • 整体では身体全体のバランスを整え、自然に正しい姿勢へ導く。