【整体師の通信教育は危険?】数字でわかる安心できない理由
【整体師の通信教育は危険?】数字でわかる安心できない理由

整体
整体師の通信教育が増加している背景
近年、整体師を目指す人の間で「通信教育」が急増しています。理由は明確で、「短期間」「低価格」「自宅で学べる」という手軽さにあります。数か月で整体師を名乗れるため、副業や独立を目指す人に人気ですが、医学的観点からみると非常に大きな落とし穴が潜んでいます。
驚きの数字:受講者の6割が臨床経験なし
実際の調査では、通信教育を受講した整体師の62%が臨床経験ゼロのまま開業していることがわかっています。つまり、人体を直接触れた経験がないまま、いきなりお客様の体に施術を行っているということです。さらに通信教育の学習時間は平均50〜100時間程度。一方で柔道整復師や理学療法士といった国家資格保持者は、2,000時間以上の授業と臨床実習を積んでいます。この差は歴然です。
医学的に危険とされる操作例
通信教育のみの整体師が問題となるのは、解剖学や病理学の理解不足です。首の骨(頸椎)や腰椎を無理に捻ったり圧迫したりすると、神経や血管を損傷させる危険があります。実際に報告されている例として、頸椎を強くひねられた患者が椎骨動脈解離を起こし、脳梗塞を発症したケースがあります。これは生命に関わる重大な事故であり、素人同然の知識で触ってよい領域ではありません。
また、腰の筋肉や椎間板に誤った圧をかけることで、坐骨神経痛や椎間板ヘルニアを悪化させるリスクも高まります。消費者庁のデータによれば、整体に関する健康被害相談のうち46%は無資格または資格不明の施術者によるものとされています。通信教育出身者の多くはこのカテゴリーに含まれるため、患者にとってはリスクが高いと言えます。
国家資格と通信教育の圧倒的な差
国家資格保持者(柔道整復師・理学療法士など)は、大学や専門学校で最低でも3年間の学習を経て、臨床経験を積みながら資格を取得します。学習内容は解剖学、生理学、整形外科学、リハビリテーション医学など幅広く、人体を安全に扱うための知識を徹底的に習得しています。
それに比べて通信教育は、短期間・少時間で理論をかじるだけ。解剖学を立体的に理解することも、患者ごとの状態を見極める臨床的判断力も養われません。安全性という観点では雲泥の差があります。
安心して整体を選ぶためのチェックリスト
整体を受ける側ができる最大の予防策は「施術者を見極めること」です。以下のポイントを確認するだけで、リスクを大幅に減らすことができます。
-
国家資格(柔道整復師・理学療法士など)を持っているか
-
臨床経験年数や施術実績を明確にしているか
-
解剖学や医療の基礎知識に基づいた説明があるか
-
「短期間で資格取得」「誰でもすぐ整体師」といった宣伝をしていないか
整体は人の体に直接触れる行為です。だからこそ、安さや手軽さではなく「安全」と「信頼」を優先することが大切です。通信教育出身者がすべて危険というわけではありませんが、経験や学習の不足が事故につながるリスクは高いのです。
まとめ
整体師の通信教育は、一見すると手軽で魅力的に思えます。しかし数字や医学的データを見れば、安全面で大きな問題を抱えていることがわかります。受講者の6割以上が臨床経験ゼロで開業しており、実際に重大事故の報告も存在します。
整体を受けるときは、資格や臨床経験を必ず確認し、自分の体を安心して任せられる施術者を選びましょう。健康は一度失うと取り戻すのが難しいもの。安さよりも「安心」を優先することが、あなたの体を守る最良の方法です。