【数字で見る!】コルセット使用の落とし穴と正解

2025.09.23

【数字で見る!】コルセット使用の落とし穴と正解

コルセット

コルセット

 

腰痛でお悩みの方にとって、コルセットはまさに「救世主」のような存在です。腰を固定し、動作時の不安を減らしてくれるため、装着した瞬間に楽になる方も多いでしょう。しかし驚くべき事実として、国立研究機関の調査では慢性的にコルセットを使用している人は、使用していない人に比べて腰痛の再発率が1.7倍に上昇すると報告されています。これは「安心のためにつけ続けることが、逆に腰痛を悪化させる可能性がある」というデータです。

コルセット常用のリスク

長期間の使用で一番問題となるのは「筋力低下」です。医学的な研究では、2週間以上連続してコルセットを装着すると、腹筋や背筋の筋力が10〜15%低下する可能性があるとされています。筋肉は本来、腰椎を支える天然のコルセットです。これが弱ってしまえば、外部のサポートに頼るしかなくなり、結果として腰痛が慢性化・再発しやすくなるのです。

さらに、コルセットで固定し続けると血流も悪くなり、回復を遅らせるリスクがあります。つまり「治すためにつけているつもりが、治りを遅くしている」という逆効果に陥ることがあるのです。

 

整体師が推奨する正しい使い分け

整体の現場で多くの患者様を見てきた経験から言えるのは、コルセットは「永遠に使うものではなく、ステップごとに卒業していくもの」だということです。そこでおすすめしたいのが「3段階ルール」です。

  1. 急性期(ぎっくり腰など強い痛みが出た直後)

     動くのもつらい時期は、無理に筋肉を使わず、2〜3日程度は積極的にコルセットを活用しましょう。

  2. 亜急性期(痛みが少し落ち着き始めた頃)

     この時期からは「動く時だけコルセットをつける」ようにします。家で安静にしている時や軽い作業時は外して、少しずつ自分の筋肉に仕事をさせるのがポイントです。

  3. 慢性期(ある程度動けるようになった後)

     ここからは極力使わず、体幹筋を鍛えることが大切です。ストレッチや整体での運動指導を取り入れると、再発予防につながります。

 

コルセットは“卒業”するもの

コルセットを外すのが怖い、と感じる方は非常に多いです。しかし実際には、整体院で正しい指導を受けながら徐々に外していくと、数週間で「腰が軽い」「動きやすい」と感じる方が8割以上にのぼります。これは、筋肉が本来の働きを取り戻すからです。

「外したら悪化するのでは…」という不安は当然のものですが、コルセットは使うための道具ではなく、卒業するためのサポーターと考えるのが正解です。整体師のサポートを受けながら使い方を見直すことで、腰痛改善への道は大きく前進します。

 

まとめ

  • コルセットを常用すると再発率が1.7倍に上がる

  • 2週間以上連続使用で筋力が10〜15%低下するリスク

  • 正しい使い方は「急性期だけしっかり・あとは段階的に外す」

  • コルセットは卒業するものであり、整体と運動療法で体幹を鍛えることが本当の腰痛改善につながる

腰痛に悩む方にとってコルセットは心強い存在ですが、使い方を誤れば逆効果になります。数字やデータが示すように、正しい知識を持って「必要な時だけ」使うことが大切です。そして、外す勇気を持ち、自分の筋肉を育てることこそが、腰痛改善の最短ルートなのです。