【知らないと危険】カッサの意外な効果と知っておきたいリスク
【知らないと危険】カッサの意外な効果と知っておきたいリスク

カッサ
「カッサ(刮痧/グアシャ)」という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。美容や健康目的で人気の施術ですが、実はその効果とリスクには、意外な事実が隠されています。今回は整体師の視点から、カッサの“本当の姿”を医学的根拠とともに解説します。
意外!カッサで筋肉痛が和らぐメカニズムとは
カッサを行うと、皮膚に「痧(シャ)」と呼ばれる赤紫の斑点が出ることがあります。これは毛細血管の一部が破れて起こる生理的な反応です。
実際に、Nielsenらの研究(2007年・アメリカ)では、カッサ施術後に局所の微小血流量が4倍以上に増加したと報告されています。この血流増加が、筋肉のこりや痛みを一時的に和らげる要因と考えられています。
つまり「血行を促す作用」は確かにあるものの、その持続はおよそ20〜30分程度と短期的なものです。
“毒素排出”は本当? 科学的には未証明
一方で、カッサによって「老廃物や毒素が排出される」という説明をよく耳にします。
しかし現代医学では、そのような「デトックス効果」を裏付ける明確なエビデンスは存在しません。
Citruslabsの臨床レビュー(2022年)でも、「グアシャは痛み軽減や血流促進に一定の効果が見られるが、研究の質は低く、科学的に確立されたものではない」と指摘されています。
つまり、過度な期待や“万能療法”のような扱いは誤解と言えるでしょう。
カッサにはこれだけのリスクがある
カッサを誤った方法で行うと、以下のようなトラブルを招くことがあります。
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打撲のような痕が数日〜1週間残る
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強くこすりすぎて皮膚が損傷する
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器具の不衛生による感染
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血液疾患・糖尿病・抗凝固薬服用中の方では出血リスクが上昇
特に皮膚の弱い方や、顔などのデリケートな部位への強い施術は注意が必要です。**Medical News Today(2019年)**でも、グアシャによる皮下出血や炎症の報告が確認されています。
整体師が勧める安全な使い方
安全にカッサを行うためには、いくつかのポイントを守ることが大切です。
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施術前に皮膚状態・体調・既往歴を必ずチェック
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オイルやクリームで滑走性を確保し、圧は“心地よい程度”にとどめる
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同じ部位を何度もこすらない
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器具は毎回アルコール消毒を行う
これらを徹底するだけでも、リスクは大幅に減らせます。
整体と組み合わせるとより効果的
カッサを筋膜リリースや調整の補助的手技として用いることは有用です。
カッサ単体では一時的な血流改善にとどまりますが、整体で筋肉・関節・姿勢を整えることで、効果を体の深部にまで定着させることができます。
“部分的ケア”ではなく“全体のバランス”を整えることこそ、根本改善への近道です。
まとめ
カッサは正しく使えば、血流促進や筋肉のこり緩和に役立つ優れたツールです。
しかし、誤った理解や使い方をすると、皮膚損傷や炎症などのリスクも伴います。
医学的には“補助療法”の位置づけであり、整体と併用して安全に取り入れるのが理想的です。
「安心・安全・効果的に」使いこなすことが、信頼できるカッサとの付き合い方です。