【整体とマッサージの本当の違いとは?】驚きの効果と知られざるリスクを整体師が徹底解説
【整体とマッサージの本当の違いとは?】驚きの効果と知られざるリスクを整体師が徹底解説

マッサージと整体
似ているようでまったく違う「整体」と「マッサージ」
「整体もマッサージも、身体をほぐすもの」と思っていませんか?
実は、両者は目的も作用もまったく違う施術です。
マッサージは「揉む・圧す・流す」など、筋肉や軟部組織に直接働きかけ、血流やリンパの流れを改善します。
一方、整体は「関節の調整・骨格バランスの補正・神経圧迫の改善」など、構造そのものを整えるアプローチです。
この違いは、「どこに効くのか」「どれくらい効果が続くのか」にも大きく影響します。
例えば、姿勢不良や関節の動きが制限されている方は整体が、筋肉の疲労やストレス性のコリがある方はマッサージが向いています。
驚くことに、専門的な文献でも「どちらも万能ではない」とされています。
米国の複数レビューでは、どちらの療法も筋・骨格系の痛みを和らげる効果はあるが、すべての人に同様の結果が出るわけではないと報告されています。
【驚きの事実】エビデンスが示す“効果と持続の違い”
マッサージの研究では、慢性的な首の痛みに対して10週間後に39%の人が有意な改善を示したという結果が出ています。
しかし、26週間後(約半年後)にはその差がほとんど消失したというデータもあります。
(参考:米国国立医学図書館 PMC2664516)
一方で整体(特に背骨や骨盤を整えるスパインマニュピレーション療法)では、急性・慢性の腰痛や頸部痛に対して、他の保存療法と同等かそれ以上の改善を示すとのレビュー結果もあります。
(参考:PMC8915715)
つまり、マッサージは短期的なリラックスや血流改善に優れ、整体は身体の構造や動きの改善による中長期的な効果が期待できる、という違いがあるのです。
【リスク】整体は“構造を動かす”からこそ注意が必要
整体は関節や骨格を動かす分、わずかにリスクも存在します。
香港の研究では、約96万回の施術中に重篤な副作用が発生した割合は0.21件/10万回と報告されています。
(参考:Nature誌 2023年報告)
数値的には非常に低い確率ですが、骨粗鬆症・血管疾患・既往症のある方は注意が必要です。
適切な評価と説明を行う専門家の施術であれば、安全に受けられるものです。
一方で、マッサージにも「強く揉みすぎて筋繊維を痛める」「揉み返しが起きる」などの軽微なリスクがあります。
どちらも“正しい方法”で受けることが、何より大切です。
【安心できる整体・マッサージの選び方3箇条】
① 施術前のカウンセリングが丁寧か
姿勢・関節可動域・既往歴を確認したうえで施術プランを立ててくれる整体院・サロンを選びましょう。
② 目的を明確にする
「疲れやコリの解消」はマッサージ、「関節・姿勢・骨盤の歪み改善」は整体が適しています。
③ 専門性と説明力を確認する
国家資格や臨床経験、施術の説明が丁寧かどうかが信頼の目安です。
この3点を意識するだけで、整体・マッサージの効果は格段に高まります。
【まとめ】どちらが良いではなく、“今の身体”に合った選択を
整体とマッサージは、どちらが上というものではありません。
筋肉を緩めたいならマッサージ、構造を整えたいなら整体。
目的と身体の状態に応じて使い分けることが、最も安全で効果的です。
信頼できる施術院で、正しい知識と安心のサポートを受けながら、自分の身体を整えていきましょう。

