【数字に見る怖さ】整体師が知っておくべき「隠れた内臓痛」
【数字に見る怖さ】整体師が知っておくべき「隠れた内臓痛」

内臓
整体院に来られる多くの方が訴える「腰の痛み」「背中の張り」。
しかし、その中には“筋肉や骨格”が原因ではなく、内臓の不調が引き起こしている痛みが潜んでいることがあります。
研究によると、慢性的な非がん性疼痛のうち、30%以上の患者が腹部や骨盤、胸部などの内臓痛(visceral pain)を併発していることが報告されています(PubMed 2021年報告)。
つまり、「動きで変化しない痛み」や「広がるような鈍痛」は、単なる筋肉痛ではない可能性があるのです。
整体の現場で内臓由来の痛みを見抜けないと、施術を続けても改善せず、
結果的に「見逃された内臓疾患の進行」というリスクに繋がることも。
だからこそ、整体師が“筋骨格系の痛み”と“内臓痛”を区別できる知識を持つことが重要です。
施術前にチェック!筋・骨格痛 vs 内臓痛の鑑別ポイント
整体的な観点から、筋・骨格痛と内臓痛を見分けるポイントを整理してみましょう。
-
① 局所性 vs 広がり
筋骨格痛は「ここが痛い」と pinpoint で訴えることが多く、動作や姿勢で変化します。
一方、内臓痛は「広がる」「ぼんやり」「奥の方が痛む」と表現されやすいのが特徴です。
これは、内臓からの神経が“複数の部位に投射される”ためです。
-
② 動き・姿勢との関係
筋骨格痛は「動かすと痛い」「休むと楽」といった変化があります。
しかし内臓痛は「動いても変わらない」「夜間や安静時に強くなる」など、動作と関係が薄い傾向があります。
-
③ 付随症状の有無
内臓痛では「吐き気」「発熱」「便秘や下痢」「頻尿」など、自律神経的な反応を伴うことがあります。
これらの症状が同時にある場合は、早期に医療機関への受診が必要です。
-
④ 発症様式ときっかけ
筋骨格系の痛みは「長時間のデスクワーク」「スポーツの負担」など、明確なきっかけがあることが多いです。
反対に、内臓痛は「特に思い当たる節がない」「じわじわ痛み出した」といったケースが多いのが特徴です。
こうしたチェックリストを整体の問診やブログに掲載しておくことで、
「自分の痛みはどっちだろう?」と感じる方に適切な判断のきっかけを提供できます。
安心のための整体プランと医療連携の大切さ
整体師として大切なのは、「見逃さない姿勢」です。
すべての痛みを整体で治そうとせず、
「これは筋骨格痛」「これは医療機関への受診が必要かもしれない」と鑑別する力を持つこと。
たとえば、施術前の問診で以下のようなポイントをチェックしましょう。
-
発熱・吐き気・発汗などの全身症状がないか
-
安静時や夜間に痛みが悪化していないか
-
過去に内臓疾患や手術歴がないか
これらに該当する場合、整体を行う前に医療機関の受診をすすめることが最善です。
実際に、整体と医療が連携することで「重大疾患を早期に発見できた」というケースもあります。
まとめ:見抜く整体師が信頼を生む
内臓痛を見抜くことは、ただの知識ではなく命を守る整体技術です。
筋肉・骨格だけをみるのではなく、「その奥」にある臓器のサインを読み取ることができる整体師は、
地域で信頼され、選ばれる存在になります。
「痛みの正体を見極め、必要な判断を下せる整体院」
それが、これからの時代に求められる“安心と結果を両立する整体院”の姿です。

