【良く聞かれる質問】腰痛は安静が良い?動かした方が良い?
【良く聞かれる質問】腰痛は安静が良い?動かした方が良い?

安静
〜整体師が教える“腰痛回復の新常識”〜
腰痛時の「安静神話」を覆す最新データ
「腰が痛いから動かさない方がいい」「安静にしていれば治る」——これは長年、多くの方が信じてきた腰痛ケアの常識です。
しかし、最新の研究では「動かした方が回復が早い」というデータが明確に示されています。
非特異的腰痛(原因が特定できない腰痛)は、成人の約80%が生涯に一度は経験します。(Nature誌 2025年
)
従来は“安静第一”が基本でしたが、近年のCochraneレビューでは「安静指示群」よりも「できる範囲で動くよう指導した群」の方が、痛みの軽減・機能回復ともに優れていたと報告されています。
(痛みの改善SMD=0.22/機能改善SMD=0.29というデータあり)
つまり、「動く=悪化」ではなく、「動かす=回復を促す」時代に変わってきているのです。
動かなさすぎることが“腰痛を長引かせる”カラクリ
なぜ「動かない」ことが良くないのか?
それは、体を動かさないことで筋肉・関節・神経が硬くなり、結果として腰への負担が増えるからです。
長期間の安静は、
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腰周りや体幹(インナーマッスル)の筋力低下
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血流低下による回復遅延
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関節可動域の減少
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「動くと痛くなるかも」という心理的不安(運動回避)
を引き起こします。
実際、慢性腰痛の患者は、痛みのない人と比べて1日の腰の動作回数が約15,564回 vs 20,521回と明確に少ないというデータもあります。
(Nature誌:2025年報告)
つまり、“動かさないほど安心”ではなく、動かさないほど回復が遠のくリスクがあるのです。
整体師が推奨する「安心して動き始める3ステップ」
① 痛みを見極める
鋭い痛み・しびれ・麻痺・排尿障害などがある場合は、まず整形外科へ。
神経性や内臓関連の腰痛の可能性があるため、医師の診断を優先します。
それ以外の「動けるけど痛い」「同じ姿勢でつらい」といった非特異的腰痛なら、早期に軽い動きを始めることが推奨されます。
② 軽い動きから再開する
最初は10〜15分のウォーキングや骨盤・股関節の軽いストレッチなど、無理のない範囲から始めましょう。
30〜60分ごとに立ち上がるだけでも、血流が改善し、回復を早めます。
具体的には、
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仰向けで片膝を抱えるストレッチ
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四つ這いで背中を丸めたり反らせたりする“キャット&カウ”
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椅子に座りながら骨盤を前後に動かす“ペルビックロッキング”
などが安全に行える動きです。
③ 整体師と連携して“動きの質”を高める
整体では、背骨や骨盤の関節調整、深層筋(多裂筋・腹横筋など)の活性化、姿勢・動作の改善を行います。
「痛くない動き方」を学ぶことで、再発リスクが大幅に減少します。
再発予防には、
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体幹トレーニング
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姿勢・座り方の見直し
-
長時間同じ姿勢を避ける
-
ストレッチと軽運動の習慣化
が非常に有効です。(Physio-Pedia.com
)
まとめ
腰痛が出たとき、つい「じっとしていれば治る」と思ってしまうもの。
しかし、最新医学・整体学の視点から見れば、それは半分正しくて半分間違いです。
重要なのは、
「痛みを見極め、できる範囲で動かす」こと。
動くことで血流が改善し、筋肉と神経が正常に働き、回復が早まります。
また、動ける自信を取り戻すことで、再発や慢性化の悪循環を断ち切ることができます。
整体師のサポートを受けながら、“安心して動かす腰痛ケア”を始めてみませんか?
「安静より、正しく動く」——それが、これからの腰痛改善の新常識です。

