【慢性痛は“脳の記憶”だった?】最新痛み科学と整体ができること

2025.12.05

【慢性痛は“脳の記憶”だった?】最新痛み科学と整体ができること

脳の記憶

脳の記憶

 

「ずっと痛いのに検査では異常がない…」

「薬を飲んでもその場しのぎでつらいまま…」

こうした“慢性痛”に悩む方は年々増えています。

実は近年の研究で、慢性痛の大きな原因は 身体の異常ではなく“脳の誤作動” であることが明らかになっています。

ここでは、最新の痛み科学をもとに、整体師の視点から

驚きの事実・放置のリスク・改善のポイント をわかりやすく解説します。

 

■ 驚きの事実:慢性痛の8割は“身体が悪いわけではない”

近年の痛み研究(Pain Neuroscience Education)では、

慢性痛の80%以上は身体の構造異常が原因ではない と報告されています。

さらに、整形外科領域のデータでは、

  • 腰痛患者の70%以上が画像検査で異常なし

  • 椎間板ヘルニアがあっても約60%は無症状

という事実もあります。

つまり──

「痛み=体の故障」ではない時代が来ている のです。

 

■ なぜ脳が痛みを作り続けるのか?

脳は“危険から身を守るセンサー”の役割を持っています。

痛みが長期間続くと脳は次第に…

  • 痛みを記憶する(痛み回路が強化)

  • 刺激に敏感になる(中枢性感作)

  • 正常な刺激でも痛みと判断する

まるで火災が起きていないのに

警報器だけ鳴り続ける状態 に近いと言えます。

ここで重要なのは、

痛みを感じているのは紛れもなく「脳」であり、

決して“気のせい”ではないということです。

 

■ リスク:薬を飲み続けても改善しない理由

脳の誤作動で痛みが続いている場合、

身体に炎症がないため 痛み止めが効きにくい のが特徴です。

実際、厚労省の調査では、

慢性痛患者の37%が薬の効果を実感できていない

というデータがあります。

薬で抑え込もうとすればするほど…

  • 痛みの根本は変わらない

  • 脳の痛み回路がさらに強化

  • 痛みに敏感な体質へ移行

という悪循環に陥ります。

 

■ 整体の視点:脳の誤作動を“リセット”する3つの鍵

最新の痛み科学では、

「身体を整えると脳が安全と判断し、痛みが弱まる」

ことが証明されています。

整体でできる効果的なアプローチは次の3つです。

 

① 姿勢と関節の動きを整え、脳に“安全データ”を送る

正しい動きや滑らかな関節運動は、脳にとって“安全情報”。

これにより、痛み回路の過剰反応が弱まります。

特に

  • 背骨

  • 骨盤

  • 肋骨

    の動きは痛みと強く相関します。

 

② 呼吸と胸郭を調整して自律神経を整える

浅い呼吸は交感神経を刺激し、痛みを増幅します。

逆に、深い呼吸は 痛みを20〜30%減らす という研究データもあります。

整体で胸郭の動きが広がると、

自然に深く呼吸できる状態へ変わります。

 

③ 触覚刺激で脳の緊張を解除(タッチの鎮痛効果)

優しい手技や適切な刺激は、脳の“安心モード”である

副交感神経を活性化 させます。

安心感が高まる → 脳の痛み感受性が下がる

という良い循環が生まれます。

 

■ まとめ:慢性痛は「脳の学習の問題」。だからこそ改善できる

痛みは脳の誤作動と聞くと不安に感じるかもしれません。

しかし、それは同時に

“脳は変われる=痛みは改善できる” という希望でもあります。

整体では、

身体・神経・脳の3方向に同時アプローチが可能 です。

薬では変わらなかった慢性痛こそ、

一度“脳の痛みの仕組み”から見直してみませんか?