脊柱管狭窄症の術後腰痛にお悩みの方へ(鹿島田・新川崎)

2026.10.28

脊柱管狭窄症の術後腰痛にお悩みの方へ(鹿島田・新川崎)

■ この記事でわかること
・脊柱管狭窄症の手術後に、腰そのものの重さ・だるさが残ることがある理由
・「脚のしびれは楽になったのに、腰だけ重い」というときの見分け方の目安
・すぐに病院を受診すべき危険なサイン
・当院(からだ骨盤ラボ)がFJT(機能的関節調整法)の視点で考えていること
・今日からご自身で試せるセルフケアと、よくあるご質問

 

■ 結論を先に(要約)
脊柱管狭窄症の除圧手術は、脚のしびれ・痛みを大きく改善することが多い治療法です。ただし、2026年に報告された多施設の研究では、手術前の腰痛が強かった人ほど改善の幅も大きい一方で、術後1年の時点で「腰そのものの重さ」が残りやすい傾向も示されました。骨盤と腰椎のバランスのずれや、体全体の状態が関係していると報告されています。「手術したのに良くなっていない」と不安になる前に、脚の症状と腰そのものの重さを分けて考えてみることが、次の一歩につながります。

 

■ 原因・特徴

脊柱管狭窄症は、背骨の中を通る神経の通り道(脊柱管)が、加齢に伴う変化で狭くなり、神経が圧迫されやすくなる状態です。除圧手術は、狭くなった部分を広げて神経の圧迫を取り除く治療で、お尻から脚にかけてのしびれ・痛みや、歩くとつらくなる「間欠性跛行」の改善には高い効果が報告されています。

一方で、2026年10月に医学誌The Spine Journalに報告された多施設の後ろ向き研究(1椎間の除圧手術を受けた450人を対象)では、術後1年の時点で「腰そのものの重さ(腰痛)」がどの程度残るかを調べたところ、次のようなことが分かりました。

・手術前の腰痛が強かった人ほど、改善の幅は大きかったものの、術後に残る腰痛も一番強い傾向があった
・骨盤の傾きと腰椎のカーブのバランスのずれ(ミスマッチが20度以上)が大きい人ほど、残存腰痛と関連していた
・全身状態の指標(麻酔のリスク分類であるASA分類が3以上)も、残存腰痛と関連していた

この研究は後ろ向きの観察研究であり、原因と結果を直接証明したものではありません。また、全ての方に当てはまるわけではなく、あくまで「関連が見られた」という段階の報告です。それでも、「手術=脚も腰も完全に元通り」とは限らないという現実を、正直にお伝えする材料になると考えています。

 

■ 見分け方の目安

以下は、あくまで目安です。自己判断の材料にするのではなく、気になる場合は手術を受けた医療機関にご相談ください。
・脚のしびれ・痛みや、歩くとつらくなる感覚は手術前よりかなり楽になったが、腰そのものの重さ・だるさは残っている
・長く座っていたり、同じ姿勢を続けたりすると、腰の重さを感じやすい
・手術前から腰痛自体が強かった方は、術後も腰の重さを感じやすい傾向がある

 

■ 病院を優先すべき危険なサイン
以下のサインがある場合は、整体より先に、手術を受けた医療機関や近くの医療機関を受診してください。
・急に脚に力が入らなくなった、歩けないほどの脱力がある
・排尿・排便がうまくできない、感覚がおかしい
・発熱を伴う強い痛みがある
・安静にしていても強い痛みが続く
・転倒や外傷の後に痛みが強くなった

 

■ 当院の考え方(FJT・関節機能障害の視点)

からだ骨盤ラボでは、手術後に残る腰の重さの背景に、骨盤や腰椎まわりの関節の動きのクセ(関節機能障害)が関わっている場合があると考えています。関節機能障害とは、関節のわずかなずれ・引っかかり・動きの範囲の狭さのことで、レントゲンやMRIには写りにくく、日によって波があるのが特徴です。神経の圧迫が手術で解除された後も、体の使い方の癖として、関節の動きの硬さが残ることがあると、臨床の現場で考えています。

ただし、これはあくまで当院の臨床上の視点であり、今回ご紹介した研究が関節機能障害を直接証明したものではありません。術後の腰の重さには、骨盤・腰椎のバランスや全身状態など、様々な要因が関わっていると報告されています。当院の施術は、医療機関での手術や治療方針を代替するものではなく、術後のセルフケアの一つとしてご相談いただくものです。

 

■ 今日からできるセルフケア

・長時間同じ姿勢(座りっぱなし・立ちっぱなし)を避け、1時間に1回程度は姿勢を変える
・痛みが強く出ない範囲で、ゆっくりとした歩行を日々の生活に取り入れる
・骨盤を軽く前後に揺らすような、小さな動きから体を慣らしていく
・「動くと悪化するのでは」という不安が強い場合は、無理に我慢して安静にし続けるより、担当医やリハビリ担当者に相談しながら、少しずつ動く範囲を確認する

 

■ よくあるご質問

Q1. 手術を受ければ、腰の重さも完全になくなりますか?
A. 脚のしびれ・痛みは手術で大きく改善することが多いと報告されていますが、腰そのものの重さ・だるさは残ることがあると、2026年の研究でも示されています。改善の程度には個人差があります。

Q2. 腰の重さが残っているのは、手術が失敗したということですか?
A. 必ずしもそうとは言えません。手術前の腰痛の強さや、骨盤・腰椎のバランス、全身状態など、様々な要因が関係していると報告されています。気になる場合は、手術を受けた医療機関にご相談ください。

Q3. 当院では何をしてもらえますか?
A. 関節機能障害の視点からの評価と、生活の中でのセルフケアのアドバイスを行っています。医療機関での手術や治療方針を代替するものではなく、併用や術後のケアの一つとしてご相談いただけます。

 

■ 腰痛セルフケア完全ガイドのご案内

当院公式LINEにご登録いただいた方には、「腰痛セルフケア完全ガイド」のPDFをプレゼントしています。ご自宅でできるセルフケアの考え方をまとめたものです。より詳しくご自身の状態を知りたい方には、初回体験(90分・1,980円)もご用意しています。からだ骨盤ラボ(鹿島田・新川崎)は、柔道整復師によるFJT(機能的関節調整法)の視点で、お一人おひとりの状態に向き合っています。※効果には個人差があります。

■ 参考文献
・Kumanomido Y, et al. Clinical and radiographic factors associated with residual low back pain after single-level decompression for lumbar spinal stenosis: a multicenter retrospective cohort study. The Spine Journal. 2026 Oct 20 (online). PMID: 42901460
・日本整形外科学会・日本腰痛学会(監修)『腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版)』