鹿島田・新川崎|椎間板ヘルニア、画像と痛みが一致しない理由
鹿島田・新川崎|椎間板ヘルニア、画像と痛みが一致しない理由

■ この記事でわかること
・椎間板ヘルニアとはどういう状態か
・画像に写るヘルニアと、実際の痛みの強さが一致しない理由
・ご自身でできる見分け方の目安
・すぐに病院を受診すべき危険なサイン
・今日からできるセルフケア
■ 結論を先に簡潔に
「椎間板ヘルニアがあります」と画像検査で言われても、必ずしも強い痛みが続くわけではなく、逆に画像上はっきりしたヘルニアがなくても、腰や脚の痛みに悩まされる方もいます。画像に写る状態と、実際に感じる痛みの強さは、必ずしも一致しないことが分かっています。このことは、「画像の結果だけで一生治らないと決まるわけではない」という安心材料にもなります。ただし、脚の脱力や排尿・排便の異常など、危険なサインがある場合は、自己判断せず早めの受診が必要です(詳しくは後述します)。
■ 原因・特徴の説明

椎間板ヘルニアとは、背骨の骨と骨の間にある椎間板(クッションの役割をする組織)の一部が、通常の位置から外に飛び出してしまった状態を指します。飛び出した部分が、近くを通る神経に触れることで、腰やお尻、脚にかけての痛み・しびれ(坐骨神経痛)が出ることがあります。
ここで知っておいていただきたいのは、画像(MRIやレントゲン)に椎間板ヘルニアが写っていても、まったく痛みや症状がない方が、年齢を問わず一定数いるという点です。逆に、画像上は大きな異常が見られなくても、強い腰痛や脚の痛みに悩まされている方もいます。日本整形外科学会・日本腰痛学会の「腰痛診療ガイドライン2019」では、腰痛の約85%は、画像検査だけでは原因がはっきりしない「非特異的腰痛」であるとされています。つまり、画像の写り方だけで、痛みの強さやこれからの経過を決めつけることはできない、ということです。
当院では、こうした「画像と痛みの不一致」の背景の一つとして、「関節機能障害」という視点を大切にしています。筋肉・神経・血管・内臓は、手で直接動かすことができませんが、関節は手で働きかけることができます。関節機能障害とは、関節のわずかなずれ・引っかかり・動きの範囲の狭さのことで、レントゲンやMRIには写りにくく、日によって波があり、痛み止めが効きにくいことがあると言われています。ヘルニアという画像所見だけでなく、その周囲の関節の動きのクセが、痛みの感じ方に影響している場合があると考えています。
■ 見分け方の目安

以下のような特徴がある場合、椎間板ヘルニアに関連する痛みであることが多いとされています。
・腰だけでなく、お尻から脚(ふくらはぎや足先まで)にかけて、しびれや痛みが広がる
・前かがみの姿勢や、長く座っている姿勢で痛み・しびれが強まりやすい
・咳やくしゃみをしたときに、腰や脚に痛みが響く
一方で、少し歩くと脚がしびれて休むと楽になる「間欠性跛行」がある場合は脊柱管狭窄症が、きっかけとなる動作の後に腰だけが急に痛む場合はぎっくり腰(急性腰痛症)が背景にあることもあります。これらはあくまで目安であり、正確な判断には専門家による評価が必要です。
■ 病院を優先すべき危険なサイン
以下のいずれかに当てはまる場合は、整体・整骨院よりも先に、医療機関(整形外科など)を受診してください。
・急に脚の力が入らなくなった、足首やつま先が上がらないなど明らかな脱力がある
・排尿・排便がうまくできない、または会陰部の感覚がない
・発熱を伴う強い腰痛がある
・安静にしていても痛みが治まらず、むしろ強くなっていく
・転倒・事故など明確な外傷のあとの腰痛・脚の痛みである
・がんの既往がある、または原因不明の体重減少を伴う
これらは、まれではありますが重大な病気のサインである可能性があるため、自己判断や施術でのケアを優先せず、医療機関にご相談ください。
■ 当院の考え方
当院(からだ骨盤ラボ)は、FJT(機能的関節調整法)という、関節機能障害の評価・調整を専門とする技術を用いています。FJTは全国で20人の認定講師が指導にあたっている技術で、当院の院長もその一人です。
画像で「椎間板ヘルニアがあります」と言われると、「もう手術しかないのでは」「一生治らないのでは」と不安になる方が少なくありません。しかし、先ほどお伝えしたように、画像の写り方と痛みの強さは必ずしも一致しません。当院では、画像所見そのものを否定するのではなく、「その方の今の痛みに、関節の動きのクセがどの程度関わっているか」を評価することを大切にしています。画像の結果に加えて、ご自身の体の動きを知っていただくことが、今後の見通しを考える一つの手がかりになると考えています。
■ 今日からできるセルフケア
・完全に動きを止めない:痛みが強い最初の数日は安静が必要な場面もありますが、痛みが少し落ち着いてきたら、無理のない範囲で日常の動き(歩く、立つ、座るの切り替え)を少しずつ続ける方が良いとされています
・長時間の前かがみ姿勢を避ける:デスクワークや車の運転など、前かがみで座る時間が長くなる場合は、30分前後で姿勢を変える
・重いものを持つときは膝を使う:腰だけを曲げて持ち上げず、膝を曲げて体に近づけてから持つ
・腹部・背中の軽い運動:医師や専門家に相談のうえ、無理のない範囲で体幹を支える運動を取り入れる
・痛みが強い日は無理をしない:しびれ・痛みが強い日は、普段より動きを控えめにし、焦らず経過をみる
■ よくあるご質問
Q1. 椎間板ヘルニアは、手術しないと治りませんか?
椎間板ヘルニアの多くは、手術をせずに、時間の経過とともに症状が和らいでいくことが報告されています。危険なサイン(脚の脱力、排尿・排便の異常など)がなく、少しずつ症状が軽くなっている場合は、保存的なケアを続けながら経過をみることが選択肢になります。改善がはかばかしくない場合や、危険なサインがある場合は、早めに医療機関にご相談ください。
Q2. 画像でヘルニアが写っているのに、あまり痛くないのはどうしてですか?
画像に写るヘルニアの大きさと、実際の痛みの強さは、必ずしも一致しないことが分かっています。これは珍しいことではなく、画像所見だけで痛みの強さを決めることはできない、という医学的な知見の一つです。気になる場合は、画像の結果だけでなく、今の体の動きや症状を専門家に評価してもらうことをおすすめします。
Q3. 整形外科と整体(整骨院)、どちらに行くべきですか?
前述の「危険なサイン」がある場合や、しびれ・麻痺が強い場合は、まず整形外科など医療機関を受診してください。危険なサインがなく、関節の動きのクセが気になる場合には、整体・整骨院での評価も選択肢の一つになります。迷う場合は、まず医療機関で検査を受けていただくことをおすすめしています。
椎間板ヘルニアと言われると、画像の所見から「もう治らないのでは」と不安になる方が少なくありません。しかし、画像に写る状態と、実際に感じる痛みの強さは、必ずしも一致しないことが分かっています。危険なサインがなければ、焦って安静にしすぎるより、無理のない範囲で体を動かし、ご自身の関節の動きのクセにも目を向けていただければと思います。
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からだ骨盤ラボ(鹿島田・新川崎/川崎市幸区)
※効果には個人差があります。
■ 参考文献
・日本整形外科学会・日本腰痛学会「腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版)」南江堂

